ヴィーナスの誕生 ウィリアム・ブグロー

19世紀フランスのアカデミズム絵画(※1)を代表する画家、 ウィリアム・ブグローの代表作です。
ブグローの構図や技法はアカデミックなものですが、官能的な裸婦像、可憐な子どもの像、憂愁を帯びた若い女性の像など、甘美で耽美的な画風で絵画を描きました。
それでは具体的に観て行きましょう。
本作品は、ギリシア神話の女神アプロディテ(ヴィーナス)の誕生を主題としています。女神の海からの実際の誕生をではなく、完熟した女性として、海からキプロスのパフォスまで貝殻に乗って移動する場面を描いています。
ここにあるヴィーナスは、恥じらいのヴィーナスではなく、髪の毛をかき分けながら豊満な肢体を惜しげもなくさらす、欲望のヴィーナスです。表面的な装いはあくまで古典的ですが、身をくねらせた裸婦のきわどい官能性で、第二帝政期のブルジョワ階級の要求に応えた作品です。
オルセー美術館所蔵。
※1:アカデミズム絵画:フランスの芸術アカデミーの規範に影響された絵画の事です。芸術アカデミーでは新古典主義ならびにロマン主義運動の下で実践され、その2つを統合しようという試みがなされました。
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