アタラの埋葬

18世紀後半に活躍した新古典主義とロマン主義の折衷画家、アンヌ=ルイ・ジロデ=トリオゾンの代表作です。
トリオゾンは、確かな写実描写をベースに、神秘的で夢想性豊かな作品を描きました。
それでは具体的に観て行きましょう。
この作品は、ロマン主義文筆家のフランソワ=ルネ・ド・シャトーブリアンが1801年に出版した小説「アタラ」の一場面で、インディアンの恋人シャクタスが死したアタラの亡骸を修道士オブリーと共に洞窟内へ埋葬しようとする場面が描かれています。
柔らかい光に浮かび上がるアタラ。画面中央へ配された洞窟の入り口から射し込む陽光によって白く輝くアタラの両手には十字架が握らされており、アタラの純潔性を示しています。一方、同時に包まれた白布に発生する衣襞で強調された細くしなやかな肢体は官能的で神秘的でもあります。
ルーブル美術館所蔵。
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