聖フィリポの殉教

フセペ・デ・リベーラの作品。
フィリポはイエスの十二使徒の一人です。イエス亡き後、スキタイ地方を旅しながら福音を説いたと言われています。
晩年のフィリポはヒエラポリスという街でイエスの教えを説いている途中、軍神アレスを祀った神殿で、人々から礼拝されていた竜を追い出しました。キリスト教徒の立場からすると竜を拝むのは偶像崇拝になるためです。この竜が神殿に姿を表した時に強烈な悪臭を放ち、悪臭が原因で多数の人々が命を落としました。ヒエラポリスの神官たちはこの責任をフィリポに求め、死をもって償うことになりました。
この絵画はフィリポが磔刑になる場面です。澄んだ青空を背景に殉教の場面が描かれ処刑の残虐性は和らげられています。調和のとれた構図の中で、聖人の深い眼差し、処刑人たちの躍動感、見守る人々の心理描写など、多彩な人物の表情が見て取れます。
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3+

十字架を担う聖アンデレ

17世紀ナポリ派の始祖的存在の巨匠フセペ・デ・リベーラの作品。
静寂の中で差し込む光で聖アンデレを浮かび上がらせることにより、聖人の深い精神性を表現しています。このような表現手法がリベーラ様式の特徴であり魅力と言われます。
聖アンデレは東方正教会(ギリシア正教)の地、ギリシアやロシアで特に崇拝されている聖人で、キリスト十二弟子のひとり。兄は十二弟子の筆頭である聖ペテロです。聖アンデレはローマ総督アイギアスの怒りを買い、笞打ち刑に加え、X形十字架へ逆さ吊りの刑に処され殉教しました。
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2+

エビ足の少年

この作品は1642年に描かれた、バロック・ナポリ派の巨匠フセペ・デ・リベーラの代表作です。ルーブル美術館に展示されています。
「えび足」とは、この絵に描かれた少年の、不自由な右足を意味します。障害をもち、身長の伸びが途中で止まったと思われる少年は、不快ともとれるほど歯並びは悪いが、屈託のない笑みを浮かべ、鑑賞者の方を見つめています。少年の手には歩行用の杖とともに、1枚の紙片が握られ、そこには人々に施しを勧める言葉「神への愛故に、私へ施しを与えたまえ」が読み取れます。この絵は単なる風俗画ではなく、カトリック信徒の務めとしての「慈善」を勧める意味があります。
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4+