天上の愛と地上の愛

15世紀ルネサンス期ヴェネツィア派巨匠ティツィアーノ・ヴェチェッリオの代表作。
この絵画はティツィアーノが29歳の時に描いたもので、若きティツィアーノの才能溢れる作品です。
それでは、具体的に見て行きましょう。
裸体で描かれた生命力に溢れるヴィーナス、輝きを帯びる美しい色彩、優雅で田園的な雰囲気等、ついつい見とれてしまいます。また、ヴィーナスがまとっている布の赤と、左の女性が着ている白いドレスの袖の赤が、画面のアクセントとなっています。
そして、ヴィーナスが天上の愛、その左の女性が地上の愛の象徴です。ヴィーナスが着衣の女性に語り掛けている動作は、地上の愛が天上の愛へと高まっていくことを教え示唆しています。
ボルゲーゼ美術館(ローマ)所蔵。
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2+

手袋の男

ティツィアーノは、表情の中に心理的な力を読み取ることができるような肖像画を世の中で、はじめて生み出した画家です。
この作品では背景および薄暗い色の衣服と、白いブラウスによって際立てられた明るい肌色との対比によってモデルの個性を表現し、控えめな気品が漂うこの青年の力強いと同時に憂鬱げな複雑な感覚を連想させる容貌、そして両手へと関心を集中させることに成功しています。写真のように人間のリアルティを感じさせる作品です。
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4+

田園の奏楽

ヴェネツィア派の大画家ティツィアーノ初期に属される代表的な作品のひとつです。 兄弟子のジョルジョーネが制作途中で死去した為、ティツィアーノが引継ぎ、完成させました。
田園を見下ろす丘に男性二人と女性二人がいます。水を汲む女性の「水」、笛は「息」つまり「空気」の隠喩、男の赤い衣は「火」、褐色は「土」を意味しており、世界を構成する四元素が音楽を奏でています。音楽を世界調和の表現と見た古代思想や世界を四元素の調和とみた新プラトン主義を感じさせます。
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4+

ウルビーノのヴィーナス

イタリアの巨匠ティツィアーノが1538年に描いた作品。
ローマ神話のヴィーナスを描いており、ポーズはジョルジョーネの「眠れるヴィーナス」を模倣したものと言われていますが、 ティツィアーノはさらに官能性を追求した作品にしました。 ヴィーナスの右手は愛を表す花束を持ち、左手は画面中央に陰部を隠しながらも挑発するかのように置かれ、寓意画では貞節を意味するイヌは、そばで眠っており、その役割を放棄しています。
この絵画はウルビーノ公爵グイドバルド2世・デッラ・ローヴェレの依頼によって描かれたものですが、これほどまでに官能的に描かれているのは、公爵の年若い花嫁となったジュリア・ヴァラノへの「教育」を意図したものではないかと言われています。
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