キリストの埋葬

当絵画は初期バロック美術の巨匠カラヴァッジョの円熟期の傑作と言われる作品です。
この作品でカラヴァッジョは光と影のコントラストや対角線構図法を駆使しています。具体的に見て行きましょう。
暗闇から登場人物を浮かび上がらせる明暗対比、下から見上げるように描かれた仰角表現、キリストの足を中心に人物たちの手や足が放射状に広がる動的な構図、キリストの足を抱える男の肘や画面下の墓石の角がこちらに突き出してくるような遠近表現。バロック絵画の醍醐味がこの1枚に凝縮されています。
バチカン絵画館所蔵。
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聖パウロの回心

本作品は、初期バロック美術の巨匠カラヴァッジョの代表作。
ローマのサンタ・マリア・デル・ポポロ聖堂の右壁に飾れれています。
本場面は聖パウロがまだサウロと呼ばれていたユダヤ教徒の時代に、キリスト教弾圧のためにダマスクスへ向かう道中、突然天からの光に照らされキリストの声を聞く瞬間を描いたものです。
それでは絵画を具体的に見て行きましょう。
まず、カラヴァッジョが得意とした光と影のコントラストにより、暗中に浮かび上がる聖パウロを描き、そこで驚きと躍動感を表現しています。
次に、この作品は斜め右方向から見ることを想定して描かれています。なぜならば本作品は礼拝堂の右壁に設置されることとなっていたためです。
右方向から本作を眺める時、鑑賞者視線はパウロの頭から足へと向かう方向に誘われ、自然と礼拝堂内の奥の主祭壇へと導かれます。カラヴァッジョは鑑賞者がどの角度から絵画をみることになるかも考慮して制作したのでした。
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聖ペテロの磔刑

本絵画は、初期バロック美術の巨匠カラヴァッジョの代表作のひとつです。ローマのサンタ・マリーナ・デル・ポポロ聖堂に飾れれています。
カラヴァッジョは光と影のコントラストを上手く使った画家ですが、本作では対角線構図法も使っています。対角線構図法はその後のバロック美術の画家たちに大きな影響を与えました。
それでは、具体的に見て行きましょう。まずは、光と影のコントラスト。
十字架に逆さにかけられているのが聖ペテロです。ペテロ以外の人物は後ろを向いているか顔が影になっており、光に照らされた聖ペテロの顔に鑑賞者の注意が行くよう工夫されています。
続いて、対角線構図法を見て行きましょう。
木製の十字架と聖ペテロが左上から右下の対角線。右上から左下への対角線は、最後部の人と最前部の人及び十字架を引き上げるロープで形作られています。この構図は鑑賞者の視線が礼拝堂奥の祭壇へ向かうように工夫されているのです。
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聖マタイの召命

本作品は、初期バロック美術の巨匠カラヴァッジョの出世作です。
場面は「マタイによる福音書」9章9節。
”マタイは机に向かっている。机の上にはお金が見える。納税者たちがマタイのところにやってくる。キリストはマタイが収税所に座っているのを見て「私に従ってきなさい」と言われた。するとマタイは立ち上がって、キリストに従った。”
本作は光と影のコントラストが見事です。具体的に見て行きましょう。
闇の中に差し込む一筋の光。その光の元(一番右の手前)に立っているのが、キリストです。そして、一番左の手前でお金を数えているのがマタイです。
光に照らし出された人物が立体的に描かれ、またその画面の奥行きにより、場面に臨場感を与えることに成功しています。
画面の大半を影で覆うことにより、この絵画が設置されている礼拝堂の薄暗い空間と絵画空間が一体となって見えます。つまり、光によって照らされた画中の出来事が、まるで目の前で起こっているかのような錯覚を鑑賞者に与えるのです。
ローマのサン・ルイージ・デイ・フランチェン聖堂所蔵。
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果物籠

16世紀後半から17世紀初頭のバロック絵画最大の巨匠カラヴァッジョによる静物描写の代表作。
カラヴァッジョの徹底したリアリズムが遺憾なく発揮された作品です。
それでは、具体的に見て行きましょう。
果実の描写は、その瑞々しさと同時に腐敗を見せるそれぞれの側面を忠実に描がいています。そして、枯れる葉の乾いた質感。それまで描かれてきた典型的な静物画では見られることの無かった醜く枯れる葉を、他の果物と同様に主役として描いています。
「瑞々しく美しい果物の描写のみならず、枯れ朽ちる葉や腐敗する果実など、醜さや下劣とされる描写まで、徹底したリアリズムを以って現実を描く」それがカラヴァッジョの静物画です。
ミラノのアンブロジアーナ絵画館所蔵。
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バッカス

イタリアのバロック時代の巨匠、カラヴァッジョの作品です。フィレンツェのウフィツィ美術館所蔵。
カラヴァッジョの描いた古代の酒神バッカスは、神というよりも神に扮装した少年といった印象です。手前の皿の果実は熟しきって腐りかけた皮から虫食いの跡に至るまで、丹念に描かれています。当時の絵画の主流であった観念的な身体ではなく理想化された完璧なる肉体を持つ古代神でもなく、生々しい存在感を持つこのバッカスは、新しいバロックの自然主義を切り開きました。
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女占い師

この絵画はカラヴァッジョの作品です。「女占い師」には2つのバージョンがあり、原作は1594年に描かれ、ローマのカピトリーノ美術館に展示されています。2作目(本作)は1595年に描かれ、パリのルーブル美術館に展示されています。
少年は少女の顔を満足そうに見つめ、少女も少年を見つめ返しています。しかし、よく絵を見てみると、少女は少年の手を握りながら、彼の指からこっそり指輪を抜いており、少年はそれに気が付いていない様子です。
当時、このような庶民的な画題は、オランダ画家たちにより多く描かれていましたが、伝統あるローマに於いて、一流の画家であるカラヴァッジョが描いたことはセンセーショナルな出来事でした。カラヴァッジョによる世俗的な絵は彼の後継者に大きな影響を与え、ローマでも同様な風俗画が数多く描かれるようになりました。
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