陶器売り

近代絵画の創始者の一人として知られるスペインの巨匠、フランシスコ・デ・ゴヤの作品。ゴヤは、ディエゴ・ベラスケスとともにスペイン最大の画家と言われます。古典主義が理性や合理主義を重視したのに対し、ゴアは感受性や主観に重きをおいたロマン主義の作品を多く描きました。
それでは具体的に見て行きましょう。
場面は様々な階層の人たちで賑わうマドリードの定期市。陶器を品定めする二人の娘と付き添いの老婆、背後を走る貴婦人を乗せた馬車など、綺麗な色彩と考えられた構図で定期市を描いています。
ゴアは人の感受性に訴え、本作品を見た人が自然と男女の性差、貴族と庶民の階級差を感じ取る作品に仕上げています。
マドリードのプラド美術館所蔵。
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2+

日傘

近代絵画の創始者の一人として知られるスペインの巨匠、フランシスコ・デ・ゴヤの作品。ゴヤは、ディエゴ・ベラスケスとともにスペイン最大の画家と言われます。
古典主義が理性や合理主義を重視したのに対し、ゴヤは感受性や主観に重きをおいたロマン主義の作品を多く描きました。
それでは具体的に見て行きましょう。
背景として画面左側に背の高い壁、中央には雲がかかった青空、画面右側には青々と茂る木々が配されています。若い男女と男が持つ日傘で三角形の構図を作り、娘は膝の上に子犬を乗せながら土手の上で座っています。そして、日傘によって微妙に変化する娘の顔の陰影、衣服は流行を感じさせる鮮やかな色彩で描かれています。
ゴヤは本作品を生き生きとした光と影と明るく豊かな色彩によって、感受性や主観に重きをおいた、開放的で鮮やかな雰囲気を醸し出す作品に仕上げています。
マドリードのプラド美術館所蔵。
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2+

キリストの磔刑

16世紀ルネサンス後期のベネチアを代表する画家、パオロ・ヴェロネーゼの作品です。ヴェロネーゼは、伝統的な明暗技法のままに自然な立体表現を確立した画家と言われます。
それでは、具体的に見て行きましょう。
通常、磔刑図はキリストを中心に左右に盗賊、その下に聖母マリアや聖ヨハネを配した構図が多いですが、ヴェロネーゼは正方形の画面を対角線で区切り、片側に十字架を斜めに配し、一方を空のまま残しました。
マグダラのマリアは十字架にすがり、傍らで聖母マリアが気を失っています。
画面全体を覆う青黒い暗雲の不穏で冷たい雰囲気、電光に照らされたキリストの身体。戦慄を感じずにはいられません。
明暗技法と立体表現が見事な作品です。
ルーブル美術館所蔵
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2+

ピスタ

フラ・バルトロメーオの作品。
この祭壇画は、修復時に大きく構成が変わった作品として有名です。
具体的に見て行きましょう。
後方に聖ピエトロと聖ヤコブが描かれていますが、頭が途中で見切れています。そう、この祭壇画もっと大きなサイズだったのです。
この祭壇画発見時は、聖ピエトロと聖ヤコブは描かれておらず、背景は黒で覆われていました。近年の修復で背景の黒を除いたところ、聖ピエトロと聖ヤコブが表れました。
キリストをはじめとする前方4人がドラマチックに描かれています。それを強調する為、上方は裁断し背景を黒で塗り替えたと想像されています。
フィレンツェのビッティ美術館所蔵。
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1+

十字架を担うキリスト

15世紀ルネサンス期のネーデルラント(フランドル)の画家、ヒエロニムス・ボスの作品。
ボスは聖書に基づく寓話を題材に幻想的で怪異な作品を描きました。その作風はピーテル・ブリューゲルを始めとする後世の画家に大きな影響を与えたと言われます。
それでは、本作を見て行きましょう。
主題はエルサレムで捕らわれたキリストがユダヤ人から愚弄され、さまざまな辱めや暴力を受ける「キリストの嘲弄」の一場面です。
情景描写をすべて省いて十字架を担ぐ無抵抗なキリストの顔を中心に、これを取り巻くグロテスクな人間の顔を悪夢の様に象徴的に描きました。
善であるキリストの姿と、悪であるユダヤ人の対比を、容貌によって巧みに描き分けています。
ベルギーのゲント美術館所蔵。
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2+

荊冠のキリスト

15世紀ルネサンス期のネーデルラント(フランドル)の画家、ヒエロニムス・ボスの作品。
ボスの絵画は、聖書に基づく寓話を題材にした幻想的で怪異な作風が特徴であり、それぞれの主題や制作意図も謎に満ちていると言われます。その作風はピーテル・ブリューゲルを始めとする後世の画家に大きな影響を与えました。
それでは、本作を見て行きましょう。
主題はキリスト受難の逸話「裁かれるキリスト」です。マルコ伝によると「兵士たちはイエスを総督官邸に連れて行き、紫の衣を着せ、荊冠を編んで被らせた」となっています。左の兵士は荊冠をイエスにかけようとし、右下の男は衣を着せかけています。しかし衣の色は紫ではなく、やや赤みかかった白です。
これはボスの創意で、白い衣とキリストの白い顔を無垢なものとして浮かび上がる事を狙っていると言われていますが、本当のところは謎です。
ロンドンのナショナル・ギャラリー所蔵。
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2+

十字架降下

16世紀のイタリア・ルネッサンス画家、ヤーコポ・ダ・ポントルモの傑作と言われる作品。ポントルモはルネサンス様式を打破し、マニエリスム絵画を世に送り出した天才です。この作品でもマニエリスムの特徴が見て取れます。
具体的に見て行きましょう。
使徒二人に抱えられたキリストの身体は引き延ばされて書かれています。十字架が描かれず、後方の人物の足が地面についていません。遠近法を使わないフラットな画面構成、上部に描かれた聖母マリアとキリストの間に距離があり、不思議な空間が生まれています。これらはすべてマニエリスムの特徴です。
ポントルモは、波打つようなマニエリスム特有のゆがみを駆使して絵画を描くことで、激しい嘆きを表わそうとしました。
フィレンツェのサンタ・フェリチタ教会のバルバドーリ礼拝堂に飾られています。
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3+

十字架を担うキリスト

16世紀ヴェネツィア派を代表する画家、ティントレットの作品です。
本作は「ヨハネ伝」19章、「イエスは十字架を担い、ゴルゴタの丘へ連れて行かれた」を典拠としたものです。
ティントレットは、短縮法や強い明暗対比などマニエリスムやバロック的な表現を用いることで、ドラマティックな画面構成の作品を数多く作り出しました。
それでは具体的に見て行きましょう。
キリストと共に十字架に架けられて処刑される二人の盗賊が画面下に描かれています。ティントレットは長い山道を縦長の画面に入れるためにジグザグの険しい坂を作り、キリストが執行人に曳かれ乍ら必死で山を登る様を下から良く見える様に描きました。そして、日没の光でキリストを照らす事で、その神聖なイメージを表現したのです。
ベネチアのスクオーラ・グランデ・ディ・サン・ロッコ所蔵。
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3+

キリストの磔刑

15世紀を代表するパドヴァ派の画家、アンドレーア・マンテーニャの代表作。
パドヴァ派は、古典的なモティーフを題材に、鋭い彫刻的な線や短縮法、遠近法を用い、劇中を思わせる現実味を帯びた絵画を作り出しました。
具体的に見て行きましょう。
キリストが十字架に架けられた場面を描いています。鋭利で硬質的に描かれた大地。これはマンテーニャが得意とした表現手法です。大地と十字架で明確な遠近法が用いられ、磔刑に処されるイエスの深い表情には聖性を感じます。
このようにして、マンテーニャは絵画に劇中を思わせる様な現実味を与えることに成功しているのです。
ルーブル美術館所蔵。
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3+