聖マタイの召命



本作品は、初期バロック美術の巨匠カラヴァッジョの出世作です。
場面は「マタイによる福音書」9章9節。
”マタイは机に向かっている。机の上にはお金が見える。納税者たちがマタイのところにやってくる。キリストはマタイが収税所に座っているのを見て「私に従ってきなさい」と言われた。するとマタイは立ち上がって、キリストに従った。”
本作は光と影のコントラストが見事です。具体的に見て行きましょう。
闇の中に差し込む一筋の光。その光の元(一番右の手前)に立っているのが、キリストです。そして、一番左の手前でお金を数えているのがマタイです。
光に照らし出された人物が立体的に描かれ、またその画面の奥行きにより、場面に臨場感を与えることに成功しています。
画面の大半を影で覆うことにより、この絵画が設置されている礼拝堂の薄暗い空間と絵画空間が一体となって見えます。つまり、光によって照らされた画中の出来事が、まるで目の前で起こっているかのような錯覚を鑑賞者に与えるのです。
ローマのサン・ルイージ・デイ・フランチェン聖堂所蔵。
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