聖ペテロの磔刑



本絵画は、初期バロック美術の巨匠カラヴァッジョの代表作のひとつです。ローマのサンタ・マリーナ・デル・ポポロ聖堂に飾れれています。
カラヴァッジョは光と影のコントラストを上手く使った画家ですが、本作では対角線構図法も使っています。対角線構図法はその後のバロック美術の画家たちに大きな影響を与えました。
それでは、具体的に見て行きましょう。まずは、光と影のコントラスト。
十字架に逆さにかけられているのが聖ペテロです。ペテロ以外の人物は後ろを向いているか顔が影になっており、光に照らされた聖ペテロの顔に鑑賞者の注意が行くよう工夫されています。
続いて、対角線構図法を見て行きましょう。
木製の十字架と聖ペテロが左上から右下の対角線。右上から左下への対角線は、最後部の人と最前部の人及び十字架を引き上げるロープで形作られています。この構図は鑑賞者の視線が礼拝堂奥の祭壇へ向かうように工夫されているのです。
<MAP>

広告

Subscribe
更新通知を受け取る »
guest
0 コメント
Inline Feedbacks
View all comments

Copyrighted Image

0
Would love your thoughts, please comment.x
()
x