聖フィリポの殉教



フセペ・デ・リベーラの作品。
フィリポはイエスの十二使徒の一人です。イエス亡き後、スキタイ地方を旅しながら福音を説いたと言われています。
晩年のフィリポはヒエラポリスという街でイエスの教えを説いている途中、軍神アレスを祀った神殿で、人々から礼拝されていた竜を追い出しました。キリスト教徒の立場からすると竜を拝むのは偶像崇拝になるためです。この竜が神殿に姿を表した時に強烈な悪臭を放ち、悪臭が原因で多数の人々が命を落としました。ヒエラポリスの神官たちはこの責任をフィリポに求め、死をもって償うことになりました。
この絵画はフィリポが磔刑になる場面です。澄んだ青空を背景に殉教の場面が描かれ処刑の残虐性は和らげられています。調和のとれた構図の中で、聖人の深い眼差し、処刑人たちの躍動感、見守る人々の心理描写など、多彩な人物の表情が見て取れます。
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