純潔の喪失(春の目覚め) ポール・ゴーギャン



フランスのポスト印象派の画家、ポール・ゴーギャンの作品(1891年)です。
本作はゴーギャン自身が「象徴主義的な大作」と信じ、象徴主義者たちへ向け意図的に発信した作品と言われています。
それでは具体的に観て行きましょう。
裸の女性は、当時のゴーギャンの恋人であったジュリエット・ユエです。彼女は、この時20歳で、ゴーギャンの子どもを身ごもっていたそうです。
ジュリエット・ユエが手に持っている一本の赤い筋の入ったシクラメンの花は、純潔の喪失(処女の喪失)を意味しています。またジュリエット・ユエの上に描かれた1匹の狐は、誘惑を象徴していて、ゴーギャン自身ではないかとも言われています。
右側に描かれている、山の方に向かって歩く人々の列は、結婚式に参列するための人々です。中景の燃えるように赤々とした田園風景と、その上下の寒色による強烈な色彩的対比により、本作の非現実的で夢裡のような幻想性がより強調されています。
このように、様々なメッセージが込められている作品です。
ヴァージニア州のクライスラー美術館所蔵
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