納骨堂 パブロ・ピカソ



19世紀スペインのキュビスムの創始者、パブロ・ピカソのキュビスム表現主義の時代の作品です。
本作はゲルニカに続く2作目の反戦作品として描かれました。
それでは具体的に観て行きましょう。
第二次大戦のナチスによるユダヤ人虐殺が主題です。画面中心の黒と白の構成は、ダイニングテーブルの下に散らばった死体を表しています。三角形を中心とした抽象的な構図イメージで、惨劇を表現しています。この作品にピカソは6か月以上の月日を掛けて取り組んでいたものの未完成のままとなっています。
しかし、未完成ながらも、納骨堂はゲルニカの形式的問題を修正・改良しようとした作品なのです。
フォルムがぎこちなくいびつで、画面のリズムが断続的であるゲルニカに対し、納骨堂は曲線の流動的なリズムが保たれています。また白いまま残された上部の未完成部分にも自然さがあり、画面全体に動きと広がりが見て取れます。
※1:キュビスム表現主義の時代(1937年 – 1973年):ピカソがキュビスムの作品を多く描いた時代。
ウィーンのアルベルティ―ナ美術館所蔵。
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