神殿から放逐されるヘリオドロス ラファエッロ・サンツィオ



古典主義絵画の祖のイタリア画家、ラファエッロ・サンツィオの作品(1511年頃)で、マカバイ記の物語を題材にした幅750cmのフレスコ画です。本作が展示されている部屋は、本作の名前にちなんで「ヘリオドロスの間」と言われています。
それでは具体的に観て行きましょう。
シリア王からエルサレム神殿の財宝を奪うために派遣されたヘリオドロスが、天の騎士に追われて神殿から追い出されている様子が描かれています。ヘリオドロスはフレスコ画の右下の部分で地面に倒れています。彼の頭上には、司祭の祈りに応えて神殿を守るためにやっきた騎手と二人の天使が描かれています。絵の左側には、2人の衛兵に椅子で運ばれた教皇ユリウス2世が描かれています。
注目すべき点は、絵の焦点を横にずらし中央に空間を作っています。そして、身廊が光で照らされ、天使の影のひとつが床の石のひとつにほぼ完全な円を描いています。このようなダイナミックな表現手法は、ラファエッロのその後のフレスコ画にも受け継がれています。
バチカン美術館所蔵。
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