温室のセザンヌ夫人 ポール・セザンヌ



フランスのポスト印象派の画家、ポール・セザンヌの作品です。
セザンヌは、妻オルタンス・フィケを20点前後描いていますが、本作はその中の代表的なものの一つです。製作当時、セザンヌとオルタンスは、まだ結婚していませんでした。本作からはセザンヌのオルタンスへの愛情が伝わってきます。
それでは具体的に観て行きましょう。
セザンヌ夫人は、黒い細身の衣服に身を包み、やや首を斜めに傾けながら、我々に視線を向けています。背景には明るい黄土色を主体として樹木や植木鉢、花を咲かせた植物などが配されています。
やや斜めに構えたセザンヌ夫人と呼応するように背景も傾斜しており、背景の傾斜の直線上に3点の植物が絶妙な距離感で配されています。3点の植物それぞれに用いられる緑色や赤色、そして背景の黄土色、さらにセザンヌ夫人の身に着ける衣服の黒が、見事に調和しています。
セザンヌ夫人は無表情で表情から感情を読み取ることは出来ませんが、上記のような色使いから、日光の光のような暖かさが感じられます。セザンヌが彼女への愛に満ちていたことが伝わってくる作品です。
メトロポリタン美術館所蔵。
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