東方三博士の礼拝



当絵画は、ディエゴ・ベラスケスが20歳の時に描いた作品で、ベラスケスの初期の傑作と言われています。
ベラスケスの一族が絵画のモデルとなっており、聖母マリアは前年に結婚した妻フアナ、幼子イエスはこの年に生まれたばかりの長女フランシスカ、三博士のうち手前にひざまずくメルキオールはベラスケス本人、その背後の横顔の老人カスパールは師匠にして岳父パチェーコがモデルになっています。
狭い空間に人物を詰め込みながらも破綻なくまとめた構図、ドレパリー(衣服の襞)が示す各人物の彫塑的な存在感、そして各人物の個性を見事に描き分けた頭部からは、ベラスケスが20歳にして既に非凡なる才能の持ち主であったことが判ります。
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