未開の物語 ポール・ゴーギャン



フランスのポスト印象派の画家、ポール・ゴーギャンの作品(1902年)です。
ゴーギャンはこの絵を通じて、未開であるポリネシアの神話的世界とアジア的な宗教性、ヨーロッパ的な文明を併置することで、人間の営みの意味を、観る者に問いかけています。
それでは具体的に観て行きましょう。
右側の赤毛の若い女は、ゴーギャンの使用人カフィの養女トホタウアです。
中央の人物は、女とも男ともつかぬ姿で結跏趺坐(仏教とヨーガにある瞑想する際の座法)の姿勢をとっています。左側の男は、邪悪な表情をしていますが、この邪悪さが西洋の精神的なあり方のシンボルとなっています。
この三者を森の中で並んで座らせることで、ヒヴァ・オア島と南アジアの穏やかな精神性、そして西洋的なものの邪悪さを対比しています。
背景の昼か夜かも分からない重々しい雰囲気の描写や背景の植物の濃密な色彩から、神話的なイメージが漂って来ます。
ドイツのフォルクヴァング美術館所蔵
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