座る道化師 パブロ・ピカソ



19世紀スペインのキュビスムの創始者、パブロ・ピカソの青の時代(※1)の作品です。ピカソは20代で、様々な絵画のスタイルに挑戦し、その結果、彼独自の作品スタイルを確立させました。
それでは具体的に観て行きましょう。
本作は自殺した親友カルロスを失恋したピエロとして描いたものと言われています。
当時、道化師は、通常バトンやむちを持ち、黒いマスクをかぶっていました。しかし、ピカソは道化師を白い顔と襟を付けて描きました。そして妻を寝取られた道化師のように、どこか憂いを帯びています。
また一方で、本作はロートレックやゴーギャンなど数名の画家を連想させます。例えば、花柄の背景は、ゴッホの「揺り籠をゆする女」の背景から借用しています。
ピカソはこの時期に、他多くの画家の作品を吸収し、彼独自の世界に取り入れ、彼独自の作品スタイルを確立したのでした。
※1:青の時代(1901年 – 1904年):ピカソが19歳のとき、親友のカサヘマスが自殺したことに大きなショックを受け、鬱屈した心象を、無機顔料の青を基調に使い、盲人、娼婦、乞食など社会の底辺に生きる人々を題材にした作品を多く描いた時代。
ニューヨークのメトロポリタン美術館所蔵。
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