干し草車



同時代のウィリアム・ターナーと共に、19世紀イギリスを代表する風景画家、ジョン・コンスタブルの代表作です。
コンスタブルは伝統的な風景画様式から逸脱し、風景の中に己が感じる美しさを独自の感覚で捉え表現しました。また、いつの頃からか、画面のアクセントとして赤い色を使うようになりました。
それでは具体的に観て行きましょう。
この作品もコンスタブルの故郷の光景です。犬だけが顔を上げ、空の荷馬車がウイリー・ロットの家の脇でストゥア川を渡って、遠景の牧草地に向かおうとしています。
今にもパタパタと動き出しそうな犬の尻尾は、僅かなタッチで表現され、小川の輝きも、粗い塗りの白いハイライトに過ぎません。それでいて明るく輝いています。
この素早いタッチ、新鮮な色彩、光の輝きに、コンスタブル独自の感覚が表現されています。そして、画面のアクセントとして、鞍に赤が使われています。
ロンドンのナショナル・ギャラリー所蔵。
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