子椅子の聖母



15世紀前半、盛期ルネサンスの画家ラファエッロ・サンティの晩年の作品。
この作品からはダ・ビンチのような神秘性も、ミケランジェロほどの厳しさも感じられません。しかし、ラファエッロの聖母子像は、時代を越えて多くの人々を引き付けてきました。
その理由を見て行きましょう。
幼児キリストを抱きしめる聖母マリアと幼児洗礼者聖ヨハネを描いています。画面一杯に幼児キリストを描き、聖マリアは少し身を屈めています。
そうすることで、トンド(円形画)の中に聖母子と幼児洗礼者聖ヨハネをうまく収め、心和む安心感ある作品に仕上げています。
聖マリアはターバンにショールという世俗的な衣装で、伝統的な赤や緑のマントは来ていません。しかし色彩は∨字形の聖マリアの腕の赤を中心に、緑・青・黄色と鮮やかに使われ、甘美的です。
甘美で心和む安心感ある作品。これこそ、ラファエッロの聖母子像が、時代を越えて多くの人々を引き付けて止まない理由です。
フィレンツェのピッティ宮殿所蔵。
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