女性大水浴図 ポール・セザンヌ



フランスのポスト印象派の画家、ポール・セザンヌの作品で、セザンヌの最高傑作のひとつです。セザンヌが晩年に辿り着いた集大成とも言われています。
それでは具体的に観て行きましょう。
多数の水浴する女性を描いています。左右から中央に向かって伸びる木々や、個々の女性像がその姿態によって形成する三角形の図式は、安定感と視覚的な強調効果をもたらしています。
マニエリスム(※1)に通じる極端に引き伸ばされた人体的構造や、キュビズム(※2)に通じる複数の視点の採用、個別では大雑把かつ散逸的でありながら、全体では明確に対象の形象を捉えた筆触、透明感と重厚感が混在した色彩描写など、セザンヌが晩年に辿り着いた集大成と言われています。
セザンヌは、生涯をかけて古典的な理想化表現と写実的な造形表現の融合、人間と自然の調和、古典と現代の調和を追求したのでした。
フィラデルフィア美術館所蔵。
※1:マニエリスム:盛期ルネサンスと初期バロックの間の芸術様式を指し、その特色は人体表現において顕著で、誇張された肉づけ、引き伸ばし、様式化した姿勢や派手な色彩などがあります。
※2:キュビスム:20世紀初頭にパブロ・ピカソとジョルジュ・ブラックによって創始された美術様式。それまでの絵画が一つの視点に基づいて描かれていたのに対し、いろいろな角度から見た物の形を一つの画面に収めました。
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