台所のテーブル ポール・セザンヌ



フランスのポスト印象派の画家、ポール・セザンヌの傑作のひとつです。
本作と、ほぼ同時期に制作された「リンゴとオレンジ」と共に、セザンヌ静物画の頂点を示す作品と言われています。

       リンゴとオレンジ

それでは具体的に観て行きましょう。
林檎や梨などの果物、白布、水差し、砂糖壷、瓶、籠、木机など台所に置かれる様々な静物で構成された作品で、セザンヌの作品の中でも、特に複雑で分断的な空間構成になっていると言われます。
主対象となるテーブルとその上の静物は全体的にやや左へ傾くように描かれている他、白布に覆われた木机の形状にも矛盾が生じているなど、正確性よりも、対象そのものの存在感や個としての形態表現、絵画としての調和性が重要視されています。
特に対象の形状や色彩のみに要点を絞って描写される梨などの果物、斜めに大きく傾いた水差しや砂糖壷、他の静物と比較し明らかに高い視点で描かれる瓶などが、セザンヌ静物画の特徴と言えるでしょう。
セザンヌは、以前は、どちらかと言うとなおざりにされていた静物画の価値を一気に高めただけでなく、この革新的な対象表現により、ピカソを始めとした後世の画家たちに多大な影響を与えました。
オルセー美術館所蔵。
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