刑務所の中庭 ファン・ゴッホ



オランダのポスト印象派の画家、フィンセント・ファン・ゴッホの作品です。
本作は、ゴッホが精神病院「サン・ポール」入院時に描かれたものです。
地面のブルーから上に向かって徐々に黄色に変化しているのは、まさにゴッホの世界です。
それでは具体的に観て行きましょう。
高い壁に囲まれた刑務所の中庭で、33人の囚人が整然と円を描くような歩行運動を行っています。囚人達の表情は全く覇気がなく希望を感じられず、まるで出口の見えない迷路を彷徨っているかのようです。その中で唯一、一番手前で歩いている金髪の男だけが本作品を観る者へ僅かに視線を向けており、入院中のゴッホの自由への渇望が表れています。
さらにゴッホの精神状態を反映させたかのような刑務所の高い塀へ、眩いほどの明瞭な光が最も強く当てられている点や、判り難いですが画面上部やや左側の二匹の白い蝶の存在から、ゴッホの希望を失っていないことが伺えます。
モスクワのプーシキン美術館所蔵。
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