一角獣を抱く貴婦人 ラファエッロ・サンツィオ



古典主義絵画の祖のイタリア画家、ラファエッロ・サンツィオの作品(1506年頃)です。
一角獣は中世において純潔と貞操の象徴で、一角獣は処女のみが捕まえることができるとされていました。さらに1959年に行われた修復により、一角獣よりも以前には犬が描かれていたことが判明しました。犬もまた純潔と貞節の象徴で、本作はラファエッロが結婚を控えたこの花嫁と未来の夫への結婚祝いとして描き、贈ったものと言われています。
それでは具体的に観て行きましょう。
描かれているのは、ブロンドの髪に鋭い表情の若い女性で、背後の風景に向かって開かれたロッジアの前に座っています。彼女の腕の中には、頭に角の生えた小さな生き物、ユニコーンがいます。本作は非常に細密でリアルで、被写体の視線の強さを強調するような光の質を持ち、作品に説得力のある即時性を与えています。媒体は、パネルに油絵具で描かれており、テンペラでは得られない豊かな色彩とディテールが表現されています。
この頃のラファエッロは、同時代のレオナルド・ダ・ヴィンチに強い影響を受け、より複雑でダイナミックな表現を模索していました。特に本作は、ダ・ヴィンチが描いた「モナリザ」に影響を受けていると言われています。
ローマのボルゲーゼ美術館所蔵。
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