ロンシャンの競馬場 エドゥアール・マネ



印象派の創設に影響を与え近代美術の父とも呼ばれる、フランス画家エドゥアール・マネの作品(1866年頃)です。本作は、競馬場にいる鑑賞者を、疾走する馬の前に配置するという画期的な作品で、マネの絶頂期の作品の一つです。
それでは具体的に観て行きましょう。
パリ郊外のブローニュの森で行われたレースの日を描いています。フランスの現代生活を描こうとしたマネにとって、ロンシャン競馬場はパリの新名所でした。
マネは、レース当日の賑やかな様子をパノラマで描こうとしました。従来はレース中の馬を横にして描くのが普通でしたが、マネは馬を描く角度を工夫して、鑑賞者をレースに引き込むように描きました。そして、右側のスタンドなど、シャープに描かれた要素と、馬の群れという印象派的なぼかしが組み合わされています。
またマネは、前景にあるものにより多くの絵の具を使い、背景や絵の中で重要でない部分にはより薄い絵の具を重ねる傾向がありました。これにより、絵の中の重要な部分に注意が向けられます。微妙な色使いや、絵の中の暗い部分と明るい部分のコントラストを強めることで、形や質量を表現しました。
アメリカのシカゴ美術研究所所蔵
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