モルトフォンテーヌの思い出



19世紀フランスの風景画家、ジャン=バティスト・カミーユ・コローの代表作です。
コローは、理想化された風景ではなく、イタリアやフランスのありふれた風景を詩情豊かに描きました。
その作品は、次世代の印象派との橋渡しをしたと言われ、印象派・ポスト印象派のピサロ、モネ、セザンヌ、フォーヴィスムのマティス、ドラン、キュビスムのピカソ、ブラック、グリスなど、多くの後世の画家に影響を与えました。
それでは具体的に観て行きましょう。
本作では、女性と子供たちが木々に囲まれた湖畔で過ごしている一場面が描かれています。無駄なものが省かれた右側の部分と、3人の少女によって活気が与えられている左側の部分との左右非対称が、構図に絶妙なバランスを与えています。
前景では一本の木が幕のようなものを形作り、木の背後では、水面が見る者の視線は、青みがかった遠景から空へと導かれます。
空と水面の薄青色と、木々の茂みの茶色と緑色。コロー特有の柔らかな色彩がデリケートな調和を醸し出す、詩情豊かな作品です。
ルーブル美術館所蔵。
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