ペパーミントボトルのある静物 ポール・セザンヌ



フランスのポスト印象派の画家、ポール・セザンヌの作品です。
セザンヌの静物画の中で最も独創的な作品の一つです。
奥行きや水平面を抑えることで、形や色にまとまりを与え、カーテンの曲線と直線の二次的なリズムが、他の物体の線と巧妙に適応しています。
それでは具体的に観て行きましょう。
セザンヌはテーブルの奥行きを抑えており、テーブルの上面は何も見えません。テーブルの上の物は壁のように垂直な平面に吊るされているように見えます。
しかし、セザンヌはこの収縮した空間の中で、あえて透明なガラスを絶妙に描き、そこから何層もの物体を見ることができます。
また、カーテンに複雑な折り目をつけて練り上げ、その隠れた窪みに木や建物のように物を配置しました。
また、水平面を抑えることで、キャンバスの表面にある形や色に、より明確なまとまりを与え、物の物質的な性質、その固さ、重さ、不透明さ、透明さをより好んで使っています。
更にこの絵画には、線の発明においても驚くべきものがあります。
優雅な二重の曲線を描くペパーミントの瓶、シンプルで大きなフラスコは、それにより純粋さと力強さを兼ね備えた2つのメロディーを奏でています。
重く青いカーテンの上には、黒い装飾の魅力的な遊びがあり、曲線と直線の二次的なリズムが、他の物体の線と巧妙に適応しています。またカーテンに内在する模様がわからないように配置されています。それらは自由な線のパターンであり、あるところでは壁やテーブルの線のように硬く、あるところでは瓶のように湾曲し、また蛍光的に、他の場所では枝分かれし、それらは場所によっては自由に浮遊する小さな音符のようです。
ワシントンDCのナショナル・ギャラリー所蔵。
<MAP>

広告

Subscribe
更新通知を受け取る »
guest
0 コメント
Inline Feedbacks
View all comments

Copyrighted Image

0
Would love your thoughts, please comment.x
()
x