ファタタ・テ・ミティ(海辺で) ポール・ゴーギャン



フランスのポスト印象派の画家、ポール・ゴーギャンの作品(1892年)です。
ゴーギャンが初めてタヒチ島を訪れた直後、現地の竹小屋で描かれた作品で、実際に見た光景ではなく、ゴーギャンが日常的なタヒチ島の生活をエキゾチックな眺めに変換し描いた作品です。
それでは具体的に観て行きましょう。
二人の女性が海へと飛び込もうとしている光景を背後から描いています。背景には槍を持った漁師がいますが、二人の女性は裸のまま海へと向かい、周囲にいる漁師に全く気にしない様子です。
ゴーギャンはくすんだ火山の茶色である砂浜をピンクと紫で描く事によって、官能的な喜びを表現しました。ここで使われている平らな形で混合されていない色を使用する手法は、彼がブルターニュで開発した総合主義(※1)と呼ばれる手法です。
本作はゴーギャンが総合主義の手法を使い、実際に見た光景ではなく、日常的なタヒチ島の生活をエキゾチックな眺めに変換し描いた作品です。
※1:総合主義:1880年代末頃、ポール・ゴーギャン、エミール・ベルナール、シャルル・ラヴァル、ルイ・アンクタンらによって提唱された芸術運動。色彩を分割しようとする印象主義への反発として現れた、ポスト印象主義の一潮流で、2次元性を強調した平坦な色面などに特徴があります。
ワシントンDCにあるナショナル・ギャラリー所蔵。
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