バイオリンと葡萄 パブロ・ピカソ



19世紀スペインのキュビスムの創始者、パブロ・ピカソの分析的キュビスム時代の作品です。分析的キュビスム時代は、プロトキュビスムの時代から更に分析が進み、対象が徹底的に分解され、何が描かれているのか識別することが困難なところにまで進んでいきました。
それでは具体的に観て行きましょう。
ピカソは画題に忠実に描くよりも、構成や創造することに興味があったといわれています。本作において、着目すべきは、色や構造、全ての特徴的なパーツ―弓、スクロール、弦、これらのパーツは全てバイオリンを構成しており、それぞれがバイオリンを連想させます。
しかしそれぞれのパーツは実際のバイオリンとは、異なった配置をしており、まるで一度ばらばらにされたバイオリンが、ピカソによって組み立てなおされたかのようです。明らかに実態とは異なるにもかかわらず、不思議と不快感や乱雑さは感じられません。
それはピカソが、パーツを再配置する際に全体として一つの芸術になることを意識しながら描いているからです。
ニューヨーク近代美術館所蔵。
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