ギュスターヴ・ジェフロワの肖像 ポール・セザンヌ



フランスのポスト印象派の画家、ポール・セザンヌの作品です。
本作は、ジャーナリストで文筆家のギュスターヴ・ジェフロワを描いた作品で、画面の連帯的統一性が素晴らしい作品と言われます。因みに、ギュスターヴ・ジェフロワは、ゴッホが生きている間に唯一売れた作品を購入した女性の弟だそうです。
それでは具体的に観て行きましょう。
椅子に腰掛け、仕事机に両手を乗せながら執筆中のギュスターヴ・ジェフロワが描かれています。画面の左側には薔薇が挿された花瓶とロダンの彫刻が置かれています。さらにギュスターヴ・ジェフロワの背後には本棚に秩序正しく並べられた幾数もの本が置かれており、文筆家として知識が豊富であることを伺わせます。
本作を観る者の視線は、まず手前(画面下部)の仕事机に置かれる書物や小物に向けられ、そこから両手をハの字に広げたギュスターヴ・ジェフロワの姿と顔面へ、そして斜めに配された椅子を経由して背後の本棚へと誘導されます。
この自然な視線の誘導こそ、セザンヌが本作に込めた仕掛けであり、垂直が強調された画家独特の堅牢性と共に、画面の連帯的統一性が素晴らしい作品です。
オルセー美術館所蔵。
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