キリストの変容 ラファエッロ・サンツィオ



古典主義絵画の祖でイタリア画家、ラファエッロ・サンツィオの作品(1519年頃)です。
本作はナルポンヌ大聖堂の祭壇に掲げるべく、ナルポンヌ司教の枢機卿ジュリオ・デ・メディチより依頼され制作された祭壇画で、ラファエッロのキャリアの集大成と言われる作品です。本作を描いた後、1520年にラファエッロは37歳の若さで亡くなりました。
それでは具体的に観て行きましょう。
本作は、イエス・キリストが高い山で、預言者であるモーセとエリヤと語り合いながら白く光り輝く姿を弟子たちに示したと聖書に記された出来事を描いた作品です。主題に添った上部の場面と、下部の悪魔に取り憑かれた少年の治癒物語の場面の2場面構成となっています。下部の民衆がキリストを指し示すことによって、聖書の記された場面を一枚の画面に結び付けています。
弟子を率いてガリヤラのタボール山に登り、キリストが丘の上に立ったとき、キリストの身体が輝きを発し上空に浮かび、両脇からモーセとエリヤが現れ、天から「これは我が子(神の子)なり」と告げられた。新約聖書に記されるその劇的な一場面を、ラファエッロは鮮やかな色彩と巧みな構図で描きました。
そしてその下では己が神であることを示したキリストを目の当たりにし、地上にひれ伏す弟子(聖ペテロ、聖ヤコブ、聖ヨハネの三人)が描かれています。
バチカン美術館所蔵。
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