キアサージ号とアラバマ号の海戦 エドゥアール・マネ



印象派の創設に影響を与え近代美術の父とも呼ばれる、フランス画家エドゥアール・マネの作品(1864年頃)です。
本作は1872年のサロンで入選した作品で、当時の著名な小説家兼批評家ジュール・バルベイ・ドールヴィリは、「単純で力強い自然と風景の感覚によって表現された、このキアサージ号とアラバマ号の海戦の絵画に私は感情の高揚を覚えた。あのマネがこのような作品も描けるとは。構想、表現、どれも素晴らしい。」と賞賛したと言われています。
それでは具体的に観て行きましょう。
本作は米国・南北戦争時にフランス沿岸でおきた海戦を題材に描いたものです。マネは本場面を実際には目撃しておらず、ブーローニュ港に停泊していた時に予め描いていたキアサージ号のデッサンと当時の新聞に掲載された写真を用いて制作されたと言われます。
正方形よりやや縦長の画面に描かれるシェルブール沖の海上を高まる波で荒々しく描き出すことによって、砲撃され撃沈される巡洋艦アラバマ号の迫力をより一層効果的に見せています。また実際に本海戦を見るため、多数の民衆らが船で海上へ押し寄せていたことも逃さす描写されています。
アメリカのフィラデルフィア美術館所蔵
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