19世紀スペインのキュビスムの創始者、パブロ・ピカソの分析的キュビスムの時代(※1)の作品です。
本作品のモデルはフランスの美術商、アンブロワーズ・ヴォラールです。ヴォラールは、ピカソを含む当時無名の画家に対して物質的・精神的な援助をしました。
それでは具体的に観て行きましょう。
画面を切り込むような線が何本もあり、それらが切り子のような面がランダムに並べられています。ヴォラールは、厳しい表情で描かれていますが、光を微妙に当てることにより、平坦にリズム感を加え、画面の中から顔が浮かび上がって来るように工夫されています。
人や物を平面に細分化、解体し、画面上で組み合わせたり重ねたりすることで、遠近法で表される空間とは異なった空間を表現しています。
※1:分析的キュビスムの時代(1908年 – 1912年):プロトキュビスムの時代(1908年 – 1909年)から更に分析が進み、対象が徹底的に分解され、何が描かれているのか識別することが困難なところにまで進んでいきました。
モスクワのブーキシン美術館所蔵。
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