アンブロワーズ・ヴォラールの肖像 ポール・セザンヌ



フランスのポスト印象派の画家、ポール・セザンヌの作品です。
本作品はフランスの美術商、アンブロワーズ・ヴォラールを描いたものです。セザンヌは肖像画制作にあたり長時間、しかも100回以上、ヴォラールにポーズを取らせたと伝えられています。ある時、ヴォラールが居眠りし姿勢を崩した際「何てことだ!あなたは私のポーズを台無しにした!林檎のように動いてはならないと何度言えばわかるのか。林檎は動かないのだ。」と怒ったという逸話が残っています。
それでは具体的に観て行きましょう。
ヴォラールは片方の足をもう一方の足に交差させ、片方の手を膝の上に置き、もう片方の手をポケットに入れて座っています。茶色のスーツを着て蝶ネクタイを締め、長時間座っていることによる疲労が原因と思われる無表情な眼差しをしています。
ヴォラールを明確な輪郭線に覆い、太く角張った筆触によって描写しながら、赤色・黄色系と緑色系という対照的な色彩を対比させることにより、色彩的均衡を生み出し、セザンヌはヴォラールを巨岩を思わせるほど重々しく安定的に描いたのでした。
パリのプティ・パレ美術館所蔵。
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