アシル・アンプレールの肖像 ポール・セザンヌ



フランスのポスト印象派の画家、ポール・セザンヌの作品です。
本作はセザンヌの、1860年代における代表的な肖像作品の一つで、セザンヌの友人でもあった画家アシル・アンプレールが描かれています。
それでは具体的に観て行きましょう。
モデルのアシル・アンプレールの苗字アンプレール(Emperaire)を皇帝(Imperator)と引っかけて、アシルを玉座を思わせる大きな椅子に鎮座させています。しかし、皇帝が描かせた厳格な肖像画とは異なり、アシルは顔と視線をやや斜め下に向け、人間味に溢れた肖像画として描いています。
また、セザンヌはアシルの内面に確固たる精神があることを見抜いており、本作でも左側から照らされる強烈な光による明暗の対比や太く雄々しい輪郭と筆触、疲弊しながらも力強い意思を宿した瞳で、アシルの内面に宿る確固たる精神を表現しています。
セザンヌはアシルを「鋼の神経によって燃え上がる魂、そして鋼鉄の誇りが彼の醜く小さな身体の中に、まるで炉の炎のように宿っている」と述べています。
オルセー美術館所蔵。
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