アイロンをかける女性 パブロ・ピカソ



19世紀スペインのキュビスムの創始者、パブロ・ピカソの「青青の時代(※1)」の作品です。青の時代では、社会的疎外の孤独感や絶望感を主題とし、社会の底辺に生きる人々を描きました。
それでは具体的に観て行きましょう。
アイロンをかけている痩せ衰えた女性を描いています。
青と灰色で塗らた薄暗い洗濯屋の中で、薄い粗末なワンピース姿の女性が、自分の体重をかけてテーブル上の洗濯物にアイロンがけしています。髪の毛はアイロンの上に垂れています。肉体労働だというのに、女性の身体や腕は細く、目や頬も痩せこけて窪み、不幸にじっと耐えてうなだれているかのようです。
ピカソは女性を特定の場所・時間から切り離し、人物を特定しないことで、貧困、孤独、苦労を表現しました。ピカソが22歳の時に描いた作品です。
ニューヨークのソロモン・R・グッゲンハイム美術館所蔵
※1:青の時代(1901年 – 1904年):ピカソが19歳のとき、親友のカサヘマスが自殺したことに大きなショックを受け、鬱屈した心象を、無機顔料の青を基調に使い、盲人、娼婦、乞食など社会の底辺に生きる人々を題材にした作品を多く描いた時代。
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