聖体の論議 ラファエッロ・サンツィオ



古典主義絵画の祖のイタリア画家、ラファエッロ・サンツィオの作品(1510年頃)です。
バチカン宮殿内のラファエッロの間に飾られているフレスコ画(※1)です。
当時のラファエッロの間は、署名の間と呼ばれ、ローマ教皇の書斎で、教皇庁の法廷(最高裁判所)ともなっていました。
それでは具体的に観て行きましょう。
本作は、聖変化(※2)を議論する神学者たちを、天界と地上の両方に及ぶ一場面の中で描いています。
画面の上方では、光背に囲まれたイエス・キリストが、その左右には祝福された聖母マリアと洗礼者ヨハネを従えるデイシスの配置で描かれています。さらにその最上部には父なる神が天使たちと共に描かれています。天上界には、このほかにも様々な聖書の登場人物が描き込まれており、左端に座り鍵を握っているペトロ、その隣で裸の胸をむき出しにしているアダム、右端に座り本と剣を持つパウロ、右側で光の角を帯びて十戒が刻まれた石板を持つモーセなどが両側に描かれています。キリストの足元には白い鳩の姿に表象された聖霊が配され、その両脇にはプットたちが四つの福音書を開いて掲げています。
地上では、祭壇に聖体顕示台が置かれおり、その祭壇の両側に、聖変化を議論する神学者たちが描かれています。祭壇の左側に腰掛ける教皇グレゴリウス1世とヒエロニムス、そして、祭壇の右側に腰掛けるアウグスティヌスとアンブロジウスといった4人の古代の教会博士がいます。他には、教皇ユリウス2世、教皇シクストゥス4世、サヴォナローラ、ダンテ・アリギエーリもいます。本作品の下の方には金色の服を着た教皇シクストゥス4世、そして、そのすぐ右隣りにいるのがダンテで、赤い服を身にまとい、月桂冠かぶっています。左下隅で、本を片手に手すりに寄りかかっている禿頭の人物は、ラファエッロの恩師でルネサンス期の建築家ブラマンテです。
※1:フレスコ画とは、壁に新鮮で生乾きの状態の漆喰を塗り、それが乾かない間に水で溶いた天然の顔料で描く手法。
※2:聖変化とは、カトリック教会のミサや正教会の聖体礼儀において、パンとぶどう酒がイエス・キリストの体(聖体・聖体血)に変化すること。
バチカン美術館所蔵。
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