聖パウロの回心



本作品は、初期バロック美術の巨匠カラヴァッジョの代表作。
ローマのサンタ・マリア・デル・ポポロ聖堂の右壁に飾れれています。
本場面は聖パウロがまだサウロと呼ばれていたユダヤ教徒の時代に、キリスト教弾圧のためにダマスクスへ向かう道中、突然天からの光に照らされキリストの声を聞く瞬間を描いたものです。
それでは絵画を具体的に見て行きましょう。
まず、カラヴァッジョが得意とした光と影のコントラストにより、暗中に浮かび上がる聖パウロを描き、そこで驚きと躍動感を表現しています。
次に、この作品は斜め右方向から見ることを想定して描かれています。なぜならば本作品は礼拝堂の右壁に設置されることとなっていたためです。
右方向から本作を眺める時、鑑賞者視線はパウロの頭から足へと向かう方向に誘われ、自然と礼拝堂内の奥の主祭壇へと導かれます。カラヴァッジョは鑑賞者がどの角度から絵画をみることになるかも考慮して制作したのでした。
<MAP>

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