妊婦の肖像 ラファエッロ・サンツィオ



古典主義絵画の祖のイタリア画家、ラファエッロ・サンツィオの作品(1506年頃)です。本作はラファエッロがフィレンツェ滞在期間中に描かれたもので、当時、妊婦を描いた絵は非常に珍しいものでした。また、ラファエッロのフィレンツェ滞在期間での最も重要な点のひとつは、この絵が示すような絵画の構図の進化を成し遂げたことです。
本作はラファエッロの能力(自然の要素の特定の状況をより総合的なビジョンの中で解決する能力)の高さを如実に示している作品と言われます。
それでは具体的に観て行きましょう。
自分のお腹の上に左手をのせ腰掛けている妊婦が描かれています。本作の主題は、母親になることを意識している妊婦です。
当時、妊婦を描いた絵は非常に珍しい中、ラファエッロは、妊婦という特殊な状況に対して、その穏やかな誇りと儚さの両方を描くことで、素晴らしい作品に仕上げています。お腹の上に静かに置かれた左手はお腹の膨らみを強調し、視線は強く観客に向けられています。
そして当時、直線的なリズムで肖像画が描かれることが多い中、ラファエッロは、絵の中の固体の形を、ボリュームある球形に還元して描き、またよく選ばれた色が重ねられています。それは、ラファエッロがフィレンツェ滞在期間中に獲得した構図の進化でした。
本作はラファエッロの能力(自然の要素の特定の状況をより総合的なビジョンの中で解決する能力)の高さを如実に示している作品と言われます。
イタリアのビッティ宮殿所蔵。
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