オペラ座の仮面舞踏会 エドゥアール・マネ



印象派の創設に影響を与え近代美術の父とも呼ばれる、フランス画家エドゥアール・マネの作品(1873年頃)です。マネはしばしば大都市パリに生きる人々と彼らの生活を聖書や神話など正統的な主題への皮肉を交え描きました。オペラ座の仮面舞踏会もそうした作品です。
それでは具体的に観て行きましょう。
舞台は大広間ではなく回廊です。そこは売春や不貞の恋を求めて男女たちが集まった場所として知られていました。本作はそこに集った燕尾服を着た男性と、多様な格好をした女性たちが恋の駆け引きをしている様子を描いています。そうした同時代の人たちを強調するのが、画面上部に見られる女性の足のみの描写です。19 世紀、女性の足は男性の性的欲望を掻き立てるものと認識されていました。
一方、本作のような風俗的主題を扱った作品の中にもマネの鋭い現実への洞察や、聖書や神話など正統的な主題への皮肉が示されています。例えば「オルガス伯爵の埋葬」での聖人や教会を支えた有力者たちの集団は、当時のパリの現代化を支えた上流階級の人々と仮装した娼婦たちの姿に変え描かれています。また絵画としての色彩構成も黒色の衣服に身を包む男たちが画面の大部分を占める本作の中にアクセント的な差し色として、娼婦らや人形の格好をした男や水平に描かれる2階部分の床や垂直に描かれる2本の大理石の柱の白色が用いられています。
ワシントン・ナショナル・ギャラリー所蔵
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