アレキサンドリアの聖カタリナ ラファエッロ・サンツィオ



古典主義絵画の祖のイタリア画家、ラファエッロ・サンツィオの作品(1507年頃)です。
アレキサンドリアの聖カタリナは、キリスト教の聖人で殉教者で、 正教会では聖大致命女エカテリナとして敬われ、ローマ・カトリックでは伝統的に『十四救難聖人』の一人とされています。聖カタリナは、数多くの画家に描かれていますが、その中でも特に評価が高いのが、本作です。
それでは具体的に観て行きましょう。
緑、赤、青、黄などの色をふんだんに使った衣装を身にまとっています。右手は胸元を覆い、左手はドレスの太もも付近を掴んでいます。背景は穏やかで、澄んだ青い空と川のようなものが見え、さらに背景には木々や山があります。聖カタリナ本人は上を向いており、その目は深く考え込んでいる人を表しています。また、彼女は殉教の象徴である車輪の破損を表す車輪にもたれかかっています。
この作品は、光、色、変化にあふれ、調和のとれた動きのある豊かな構成になっており、かつ、鑑賞者の感情を喚起することを避けた作風を継承しています。ラファエッロは、常に作品を通して感情を和らげることを意識し、絵画に感情的なトーンをもたらすような特徴を避けていました。
更に、ポーズ、色、デザイン、表情のバランスが絶妙にとれています。装飾的な要素と象徴的な要素の間で芸術的なバランスをとっています。また、車輪を絵の中に入れることで、空間的な奥行きの印象を強めています。聖カタリナの足元に置かれた車輪は、その位置によって聖カタリナを上昇させる効果があり、それは殉教者としての勝利を意味しています。
ロンドンのナショナル・ギャラリー所蔵。
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